ともちゃんA(以下A):さて本日は、続・まるまど会議でございますよ。
ともちゃんB(以下B):このブログがすっかり停滞してしまっている件について、今後どうするかを話し合うんです。
ともちゃんC(以下C):話し合うってってもなあ。
B:一人だし。
C:わたし一人で会議。
A:頑張るんですよ!
B:そもそも、スタート時は目的とターゲットが明確だったんですよ。
A:そう。
B:一番最初の転職〜移住までの流れをね、ドタバタを、知人友人たちと共有しようと思ったんですよ。全然経緯を知らなかったらびっくりするだろうと思ったし。
C:実際、最初から読んでくれてる友人は、移住するまでのセクションで「めっちゃドキドキする…」って言ってたし。
B:あまりにも先行き不明瞭だったから。
A:そして移住して以降は、「こんな感じで暮らしてますよ」と、お便りのような、わたしたちの居住していた東京の知人たちへ、安否報告のような気持ちがありました。
B:今ね、ここにきて、改めて何を語るか。
C:今日は閣議決定したいなあ。
A:したいけどなあ。
B:するかなあ。
A:ひとつ言えるのは、今大三島は一種の転換期だと思うんですよ。わたしたちが移住してきた9年前は、まだ移住者が目視できた。
B:頭数が少なかったからね。
A:今現在、すごく増えているので、全然把握できないんですよ。数も。何してるとか。
B:宿をやる人が増えてるみたいだけどね。
C:あとは農業系かな。
A:そして、9年前くらいなら、「移住してきて、都会の価値観とこんなギャップがあるから、こんなことを考えて生活してるよ」みたいなことが、ひとつの経験としてシェアする価値があったかもしれないんだけど、今、ほんと多様なんですよ。
B:移住者それぞれのスタイルがね。
C:スタイルが多様。価値観も多様。
A:だから、「わたしたちはこうしてます」っていう方法が、それはそれがいいと考えてやってる部分があるんだけど、他の人はまた違ったスタイルで生活しているし、違った価値観で島の人と触れ合ってる。
B:自分たち以外の人たちにとって有益か分からないんだよね。
C:却って妨げになるかもしれない。
B:「そういうやり方しないといけないの?だったら自分には合わなそう」と思われるかもしれないし。
A:ともちゃんの、あるいはまるまど夫婦の個人的な感覚としては、「都会的な価値観」と「島の価値観」はものすごく違う、と思ってるんです。そもそも「都会的な価値観」を絶対的なものと思ってなかったわたしたちには、対極のような「島の価値観」から得る発見が、ものすごく多かったんだよね。
B:でも今や、「都会的な価値観」で島暮らしを始める人も結構いると思うんだよ。
C:それが可能な社会に、ゆるやかに変化してるからなのだろうと思うけど。
A:それが分かるからこそ。
B:ねー!
A:わたしたちの感性で島の生活を切り取ると、すごく偏ったものになってしまうんじゃないか、という危惧が、ちょっとあるんですよ。
B:ねー!
A:だから、わたしの立ち位置としては、「都会的な価値観」にすごく染まって生きてきた半生と、そうじゃない「島の価値観」を積極的に受容しようとしたここ数年があって…なんと言うの?
C:留学生みたいな。
B:ダブルスタンダードみたいな。クロスオーバー?クロスカルチャー?
C:オーバーカルチャー?
A:キャリーオーバー?
C:違う。
A:ギャップをね、自分が体験したくっきりした違いみたいなものは、まず自分が経験してきたそもそもの文化について、言語化できないと、表現できないんですよ。
B:「都会的な価値観」について、それがどういうものであるか言語化できていて、初めて「島の価値観」を客観視することが可能だと言うことね。
C:そして、さらにそこから、どこがどう違うのか、その差異を、一方に偏見せずに言語化するという。
B:「島の価値観」を、まず最低限の基本的な部分だけでも、言語化できるレベルまで理解する、ここまでが、すごく時間のかかる部分だったんだな、そもそも。
C:9年かかる。
A:9年かかるわ。それでもまだ分かんないし。
B:多分ずっと分からないことかもしれない。これは「日本人とは」に通じる概念かもしれないし、「西日本文化とは」かもしれないし。
C:どっちかと言うと、東京の資本カルチャーが異質なんだけどな。都市に置かれてる資源がそもそも限られてるから、金銭の価値がどうしても頭の中で爆上がりしてしまう。
A:だから「まるまど日記」は、すごく難しい、難しいんだけど、「都会的な価値観」と「島の価値観」どちらも体験した立場から、「だから今こういう価値観でいる」ということを、なるべく客観的に語るものでありたいなあ。
B:もちろん、客観に徹するなんて無理なんだけど。
A:結局は主観なんだけど。
C:わたし達にとって、島で不特定多数の人と一番関わる機会があるのはお店です。だからわたしたちの主観とは、大三島で、パン屋さんという場を通して、触れている人々を通して得たものになる。
B:だからわたし達が知ってることって、まず、うちのパン屋としてのスタイルがフィルターとして存在しています。やっぱりうちのお店が提案している価値観に共感してくださる方が買いにいらして下さるので。
C:だからそういう意味で、そもそもわたしたちが得る情報は、バイアスがかかっていますよ〜と。
B:あとは地域の集落の方々。
A:あとは子供の、小学校の関係の方々。
B:もうそれで全部だね。
C:だから、とても限られた範囲で生きてるし、限られた範囲で有効な価値観で、わたしたちはそれ以外の場所に普段行かないし、今後も多分、行かない。
A:そういう、限定した世界で見つけた、わたしたちの、きれいに磨かれつつあるひとつの個人的な価値観、と、そういう感じですかね。
B:だから、他の方にとって、これが意味を持つのかどうか、分からないです。
C:でも、なるべく客観視して、なるべく嘘をつかずに書くことが出来たら、何かこう…一種のフィールドワークとして、価値を持てばいいなあ、と。
B:そんなところですかね。
C:そんな気持ちです。
A:豊かさってなんだろうっていうね。
B:そういう、都市と島のギャップの間で磨かれた、場所が変わっても時代が変わっても、価値のあり続けるもの、輝くもの、そういうものを、「なぜそれに価値があるか」、都市生活者にも、そうでない人にも共感できる言葉で、日々の生活の一部から、客観的にお見せすることができたら、このブログはすごく良いんじゃ無いかと思います。
C:そうですね!それで行きましょう!
A:言う程簡単かな…。
B:乞うご期待!
C:まるまど日記、続きます!