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2024/09/10

もうすぐお祭り!


 今週末の祭に向けて、連日練習。今年新しい役割になるみくりんのために、新しい衣装を用意する。それが、「男物の長襦袢」と「手おそい」、兵児帯、たすき。長襦袢が正絹で、兵児帯が正絹で、「え、こんなにシルク使ってんの?!」と驚いた。わたしって、全然ものを知らないんだなあ。昔の人ってなんて豊かなんでしょう。こちとら肌着がシルクってだけで贅沢な気でいるのに。ちなみにアクリルのものもある。 「手おそい」は手甲カバーみたいなもの。検索しても出てこないので、こちらの言い方なのかも。「さるぼぼ」と言う、縁起物の猿のぬいぐるみ(のようなもの)も、集落のお母さん方が作っておいて下さったものが用意されてあって、洋布で出来ているものもあるけど、だいたいが正絹。本当に、ぴかぴかして、うつくしくて、複雑で、「なんて綺麗な布だろう」と思う。見慣れると、「他に代わりがない」という気持ちでいっぱいになる。わたし、何も知らないのね!お店と自宅に取材のテレビカメラが来てださって、移住者から見た暮らしを問われる。なんと言ったらいいのか…取材の数日前から、頭の中をことばがもんもんとして、歯を噛み締めながら寝付けない。多分、おそらく、「都市」と「島」の暮らしの比較は、わたしの中で生涯の大きなテーマなんだろう…端的になんか、答えられないよ!!それでも、一番最近思っていることが、少し整理されて言葉にして話せたのが良かった。わたしの住まわせてもらっている集落の方々は、祭に熱心で、さまざまな方々が協力して、1ヶ月かけて、子供達の獅子舞を中心としたお祭りの準備を整える。それって、資本主義の合理的な観点から「何の意味があるんですか?」と問われたら、多分、答えられないんだよね…神様って、意味があるんでですか?と。でも、抽象的な目に見えないもののために、力を合わせることが出来る、自分の最善を尽くせるっていうのは、人間にしか出来ない。目に見えないのに、価値を共有できる。分かち合うことが出来る。それは非常に高度なことなんじゃないかと思ったんです。島のPTAに参加してても思う。子供の未来のために、大人達が能動的に力を合わせられる集団は、コミュニティとして非常に成熟しているんじゃないか。そういう気質は、脈々と受け継がれてきたカルチャー、伝統、習慣、自治の仕組みが作ってきて、今も生きている。わたし達は、その仕組みの中に、よそから来て入れてもらっている。それが大三島なんじゃないか。これは、人と人だけで作れる、最上級の、一番本質的なセーフティネットなんじゃないか…。わたしは島で安心している。家で安心していられる。その理由はこれなんじゃないかという気がした。