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2019/09/16

限界を超えていけ


旧暦8月15日、満月の土曜日未明、この辺りで地方祭と呼ばれている秋祭りの1日目が始まる。夜中の1時、「一番太鼓」という太鼓と笛の行列が集落を回り、二番、三番、と一時間ごとに鳴る。ともちゃんは毎回目が覚めてびくっとなる。獅子舞の主人公の小・中学生達は、午前3時に化粧を開始。みくりんが参加する保育園児の獅子舞グループは午前6時に集合。今年はみくりん、去年とは別人のように踊りも獅子舞の回りを回る「おたふく」の役も見事にこなす!約2時間の道のりを途中数カ所舞いながら歩き、「御旅所」と呼ばれている集落の中の小さな神社がゴール。ともちゃんはそこでもう、朝の8時で一仕事終わった感じでへとへとなんだけど、御旅所で合流する小・中学生とこまっちゃんを含むサポートの大人達は、そこからが長い長い祭りの始まりなんである。体力や気力のピークを何度も何度も超えて、日の暮れるまで交代で舞い、叩き、吹き続ける。ともちゃん、午後の3時間だけみくりんと、一軒一軒回るのについて行ったけど、翌日足が上から下まで筋肉痛だった。これまではただただ子供達がすごいと思っていたけど、みくりんが小学生になるのが近づいてくるにつれて、ともちゃんに当事者意識が芽生えるにつれて、未明から日暮れまでサポートし、歩き、夜はご飯を食べさせ、「これ保護者の役割の方、つとまるかな…」と心の底からお母さん方に敬服の念を覚えた。今年も祭りの最後に顔に好きな絵をペイントするお手伝いをして、ともちゃんはここの集落の子供達が本当に本当に可愛くてたまらない。朗らかで、ピースフルで、サポートし合って、顔には出さないようにしてるけど、このお手伝いがとっても嬉しいのです。今年我が家で舞ってくれた獅子舞のメンバーは、わたし達が大三島に来て経った時間分、彼らからの思いとわたしが持つ思いが大きくなっているのを感じて、空間が感謝の気持ちでいっぱいになった感じがした。全然関わりのない違う場所から来たわたし達だけれど、本当に気さくに寛大に抵抗なく祭りの輪に、世代を超えても住む場所が離れても共有して持てるものがいっぱい詰まっているところに、受け入れてもらっているんだなあと思った。