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2015/02/01

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黄色い鳥器店の、匙屋さんの展示へ。
久しぶりに匙屋さんに会えると思って、楽しみにしていた展示。みくりんと3人で出かける。風が強い。

久しぶりにお会いした匙屋さんの二人は、1年以上会っていないはずなのに、つい先週会ったような、まったく時間を感じさせない佇まいだった。びっくりした。お店を出る頃にはわんさと人がやって来て、早い時間に行って良かった。お店の外のベンチでおにぎりを食べていたら、くろねこ軒さんのご夫婦が現れる。わんこのウーちゃんを撫でさせてもらう。

匙屋さんは、国立にお店を持っていたが今は岡山県の牛窓というところに住んでいて、今回は牛窓のおいしいものを色々持って来てくれていた。オぷストというお店のドイツパンは、家に帰って早速食べたら、ふんわりして、もちもちして、ぎゅっとしていて、おいしくてびっくりする。こまっちゃんはドイツ系の酸っぱいパンが苦手なのに、
「甘みがあって、こんなに美味しいパン食べた事ない」
と。美味さに自己肯定感が上がる。
我々、素材勝負なものを食べる時は、「嫌なところが何もない」という言い方を時々するのだが、
「嫌なところがない、どころかいいところがたくさんある…。嫌なところがない、というのは褒め言葉だと思ってたけど、褒め言葉じゃなかったんだ…」
と思った。
食べてないおみやげもまだまだある。美味しそう、楽しみ〜。

そして匙は、前日の雪の日、の昼過ぎ、で展示初日にして殆ど売れてしまったそう。なんと…。展示品も皆売約済みの赤シールが。でも奇跡的に一本、売れていない匙を捕まえてお家に連れ帰る。新しい子が仲間入りだ。

帰りに国立コーヒーロースターでコーヒーを買う。みくりんを初めてお見せする。コーヒーが美味しくて幸せ。そしてマスターの話が面白い。

午前中、こまっちゃんと「集合意識」の話になる。
集団の決定権をもつものが何か、という話で、大三島はそれが大山祇神社の神様であって人でないところがいい、というこまっちゃんの話。
わたしは、集団の決定権が、ある個人に権力が集まるのではなくて、皆がイーブンで皆の総意が目指しているところにゴールがある、そこに向かって有機的に動いて行く、という在り方が、新しい組織の運営の在り方として、もう実用可能で、実用されているんだな、と考える。うれしい気持ちになる。
集団があって、目の前に誰のものでもないお金が山盛りになっていたら、「自分がいかに他の人より多く取るか」という意識になる人が多いだろう、「そうでないと人に負ける」とか「そう思わないと人に負ける」とか、思うかもしれない。それは教育のせいなのでは?とわたしは思っている。
「食べ物」だったら?やっぱり「自分がより多く取る」になるかもしれない。でも皆がほどほどに満たされていたら、「皆に等分に」とか「自分はいいから他の人に」とか「身体の弱い人から優先的に」とか、色んな分割方法があって、もっと違うものが総意として選ばれるかもしれない。
そんな風に、お金以外の財産、例えば「故郷」とか「景観」とかだったら、知恵や技術をオープンソース的にシェアして、恵みをシェアして、「皆が恒久的にその恩恵を受けられるように」ということが集団のゴールになる。以前の集団では、発言力の強い人とは、「権力がある」「頭脳が優れている」「話が巧み」もっと昔だったら「腕力がある」「獲物が多く捕れる」とかかもしれない。皆が恩恵をシェアする集団だったら、発言力を持つのはゴールであるところの集合意識にコネクトの強い感性を持っている人、ということになるのでは?
それはもっと昔で言うところの、よりましとか巫女とか神官なのでは?
などと思ったりした。
それぞれ個人のレベルが底上げされて、エネルギーが通りやすいクリーンな状態を保てれば、皆が集合意識にコネクトして、それが一番尊重され、それがすべての決定権を持つ、個人主義の真逆の集団になる。
そしてそれが、部分的にでも、極所的にでも、すでに起こっているのではないか。

匙屋のかよさんが、「東京とは全然違う。こだわる余裕がある」と言っていたのが印象的だった。
今回紹介していたおいしいものを作っている人達は、うどんの麦を有機で自分で育てたり、その小麦で別のお店がパンを焼いたり、無農薬、古来種の野菜がビン詰めになったり、輪が循環している。素材が良いからの別のものになれる、こだわりが信頼されて新たな価値が付くってすてきだなあと思う。
そして移住先では、
「スポンジのように、自分はからっぽにして、吸収するつもりの方が自分が辛くない」
と。

夜、家族で飲み会に誘われる。
こまっちゃんは先に行き、わたしはみくりんと二人で昼寝をして、行けるかな?どうかな?と思ったけど、国立で飲む事ももうないし、赤ちゃん大丈夫なお店だそうだし、行ってみよう、と思ってみくりんを連れて行ってみる。
みくりんはほとんどずっといいこにしてくれてた。おかげで皆と話せたよ、ありがとう。

さて、今日はこれからみくりんが生まれた助産院の、一品持ち寄りイベントだ。