風邪をひいてしまったみくりん。咳、鼻水、発熱で、お盆でもやっている今治の病院までドライブ。帰りに寄った今治銀座という名の商店街を、端まで行って戻る。ほとんどシャッター街で人もまばらなのだけど、ちょいちょい話しかけたり話しかけられたりしているみくりん。「○○ちゃん、知らない?」と、きれいな柄のドレスを着たおばあちゃんに話しかけられ、「○○ちゃんってなに?」「犬よ。ここにつないでおいたのに」とおばあちゃん。みくりんは、「どっかで迷子になっちゃったのかねえ…。さみしいん?」。手に汗握りながら会話を見守っていたともちゃんはそこで初めて、ああ、いると思っていた犬がいなくなったら寂しいのだ、という普通のことに気がつく。おばあちゃんに「見つけたら教えてね」と言われて別れた後も、みくりんは「○○ちゃーん!○○ちゃーん!」と大声で呼びながら歩いていた。彼女の人との接し方を見ていると、こんな風に時々はっとすることがある。おばあちゃんは別れ際、ちょっと安心したような顔をしていたような気がした。その晩、家でゴキをやつけようとして仕留め損ねたともちゃんに、「ゴキブリは優しいんよ!ぱーぱん(ともちゃんのこと)がやっつけようとするけん逃げるんよ!」と怒られる。